高校生打者の実際の指導から考える打撃動作④

なぜ骨盤は抜けてしまうのか

これまで3回にわたり、

・変化球への対応には0.1秒をどこで作るかが重要であること

・身体の中心から動き始めることの重要性

・割れとは骨盤と胸郭の時間差であること

についてお伝えしてきました。

では、その時間差を作ろうとしても、なぜ骨盤は抜けてしまうのでしょうか。


骨盤は意識だけでは安定しない

今回の選手も、

「股関節に乗る」

「身体が開かないようにする」

という意識は持っていました。

しかし、それだけでは改善しませんでした。

なぜなら、

骨盤を安定させる身体の土台が十分に機能していなかったからです。

骨盤は、

「止めよう」

「残そう」

と意識しただけで安定するものではありません。

身体の中心が安定して初めて、

骨盤は前へ進みながらも不要な動きを抑えることができます。


骨盤を安定させるために必要なこと

そこで重要になるのが、

大腰筋・腹圧・呼吸です。

大腰筋は、

骨盤と背骨をつなぎ、

身体の中心を支える重要な筋肉です。

しかし、

大腰筋だけを鍛えれば良いわけではありません。

大腰筋が働きやすい環境を作るためには腹圧が必要であり、

腹圧を安定させるためには呼吸も大きく関わります。

つまり、

呼吸 → 腹圧 → 大腰筋 → 骨盤の安定

という流れが重要になります。


土台が変われば動きは変わる

身体の土台が安定すると、

骨盤は前へ進みながらも安定し、

胸郭との時間差を維持しやすくなります。

その結果、

身体の中心で時間を作ることができ、

変化球への対応だけでなく、

スイング全体の再現性も高まっていきます。

反対に、

土台が安定していなければ、

どれだけフォームを意識しても、

・身体が早く開く

・骨盤が抜ける

・腕でタイミングを合わせる

という代償動作を繰り返してしまいます。


まとめ

今回の4回のシリーズを通してお伝えしたかったのは、

フォームを変える方法ではありません。

変えるべきなのは、

フォームではなく、

フォームがそうなってしまう原因です。

身体のどこで時間を作るのか。

どこから動き始めるのか。

なぜ割れが必要なのか。

そして、その動きを支える身体の土台はどうなっているのか。

これらがつながって初めて、安定した打撃動作につながります。

フォームは結果です。

原因を理解し、身体の土台から改善すること。

それが、再現性の高い打撃動作への近道だと私は考えています。