野球では、
「もっと回転しろ」
「下半身から使え」
という言葉をよく耳にします。
しかし、身体は単純に速く回れば大きな力を発揮できるわけではありません。
重要なのは、
体幹を一度引き伸ばし、その力を利用して縮むことです。
動作には「引き伸ばされる時間」が必要
身体はゴムと同じです。
縮むだけでは大きな力は生まれません。
一度引き伸ばされることで、
その反発を利用した大きな力を発揮できます。
打撃や投球でも同じように、
体幹には一瞬引き伸ばされる時間が必要になります。
境目になるのは胸椎下部
この引き伸ばしが起こる中心となるのが、
**胸椎下部(T8〜T10付近)**です。
下部胸椎より下が先に動き始め、
その瞬間、上部胸郭はわずかに残ります。
すると体幹が引き伸ばされ、
その後に縮むことで力が一気に伝わります。
腕から動くと何が起こるのか
多くの選手は、
この引き伸ばされる時間を作る前に腕を動かしてしまいます。
すると体幹は十分に引き伸ばされず、
縮む力も生まれません。
その結果、
腕だけでバットを操作する動きとなり、
・ボールの下に入りやすい
・外角への対応が難しい
・変化球で泳ぎやすい
・球速が上がるほど差が大きくなる
といった現象につながります。
フォームではなく、力が生まれる順番
フォームは結果です。
本当に重要なのは、
身体のどこが先に動くかではなく、
どのように体幹を引き伸ばし、その反発を利用して力を伝えるかです。
胸椎下部を境に、
下部が先行し、
上部が一瞬残る。
このわずかな時間差が、
体幹を引き伸ばし、
その後の縮む力によって、
胸郭から腕へ効率よく力を伝えていきます。
だから最初に変えるのは「回転」ではない
身体を速く回そうとするのではなく、
まずは体幹が自然に引き伸ばされる順番を身につけること。
その結果として、
縮む力が生まれ、
腕は最後に加速していきます。