神経整体×動作改善(独立リーグ徳島投手編)

「150km/hを投げている選手なら、もう完成している。」

そう思われることがあります。

しかし実際には、高いパフォーマンスを発揮している選手でも、身体には改善できるポイントが数多く残っています。

今回施術、改善したのは、徳島インディゴソックスに所属する安田晃典投手。

1年半前にインターナルブレース手術を受け、現在は150km/hを記録しています。

一方で本人は、

  • 引っ掛けるボールが多い
  • コントロールが安定しない
  • ブルペンの感覚を試合で再現できない

という課題を感じていました。

動画を分析した結果、フォームそのものではなく、身体の使い方に改善できる点が見つかりました。


左へ回りすぎることで、力が逃げていた

投球動作では身体が回転します。

しかし、「回ること」と「回り続けること」は違います。

今回の投手は、

上半身が左へ回り続ける傾向が強く、

下半身で支える時間が短くなっていました。

その結果、

  • リリースで身体が流れる
  • ボールへ圧が伝わりにくい
  • コントロールがばらつく

という状態になっていました。

重要なのは、身体を止めることではありません。

下半身で支えながら、上半身が加速できる土台を作ることです。


股関節が使えないと膝に頼りやすくなる

身体を確認すると、

股関節の動きが十分に使えず、

軸脚で身体を支える代わりに膝へ荷重が集まりやすい状態でした。

すると、

骨盤と胸郭が一緒に回りやすくなり、

本来作りたい「分離」が小さくなります。

この状態では、

腕を強く振ろうとしても、

身体全体の力を十分にボールへ伝えることができません。

まず必要なのは、

股関節で身体を支えられる環境を作ることです。


リリースでは「押さえる力」が重要

今回特に変化が大きかったのはリリースです。

身体が左へ流れ続けるのではなく、

左側で支点を作り、

そこで身体を受け止める感覚を作りました。

この支えができることで、

回転エネルギーが逃げにくくなり、

ボールへ力を伝えやすくなります。

実際に選手からは、

「最初はぬめっとした感じだったけど、バチッと力が伝わる感じになった」

という感想がありました。

また、

「力感は変わらないのに出力が上がった感じがする」

という変化も確認できました。

これは腕を強く振った結果ではなく、

身体全体の連動が改善した結果です。


シャドーでは振れるのに、ボールを持つと振れない理由

指導中、

シャドーピッチングでは大きく腕が振れる一方、

ボールを持つと動きが小さくなることも確認しました。

このようなケースでは、

腕の問題ではなく、

身体の支え方や重心位置が影響していることが少なくありません。

土台が安定すると、

ボールを持った状態でも、

シャドーに近い動きが再現しやすくなります。


まだまだ伸びる可能性がある

150km/hを投げる投手でも、

身体を詳しく確認すると、

股関節や胸郭、

姿勢のコントロールなど、

改善できるポイントは多く残っています。

能力が高い選手ほど、

少し身体の使い方が変わるだけで、

ボールの質やコントロールは大きく変化します。

フォームだけを修正するのではなく、

身体の機能を整え、

その変化を動作へつなげること。

それが、パフォーマンスをさらに引き上げる近道になります。