高校生打者の実際の指導から考える打撃動作②

なぜ手から動くと打てなくなるのか

前回は、

「変化球への対応力は、0.1秒をどこで作るかで決まる」

という内容についてお伝えしました。

今回は、その続きです。

時間を作る場所を理解しても、その時間を手で作ろうとしてしまうと、打撃は安定しません。


手が動くことと、手から動くことは違う

今回の選手も、

変化球に対応しようとするあまり、

手やバットでタイミングを合わせる動きになっていました。

ここで勘違いしてはいけないのは、

「手が動くこと」が悪いのではないということです。

問題なのは、

手が動きの主役になってしまうことです。


手が主役になると何が起こるのか

手から動き始めると、

身体の中心で作った時間を使う前に、

腕でスイングを調整することになります。

すると、

・肩が上がる

・身体の回転が止まる

・バットが遠回りする

・最後は腕で合わせるスイングになる

という流れが起こりやすくなります。

変化球への対応だけではなく、

インコースに差し込まれたり、

打球が安定しなかったりする原因にもつながります。


身体が主役になるとは

本来のスイングでは、

身体の中心から動きが始まり、

その力が肩、腕、そしてバットへ伝わっていきます。

つまり、

手は力を生み出す場所ではなく、身体で生み出した力を伝える役割です。

身体が主役になれば、

無理にヘッドを走らせようとしなくても、

身体の回転に合わせてバットは自然に加速していきます。


今回の指導で伝えたこと

今回修正したのは、

「もっと腕を振ろう」

でも、

「手を使うな」

でもありません。

伝えたのは、

身体の中心から動き始め、その結果として手が動く順番を作ることです。

順番が変わるだけで、

スイングの力みは減り、

身体の中心で作った時間を有効に使えるようになります。


まとめ

打撃では、

「どこを動かすか」よりも、「どこから動き始めるか」が重要です。

手でスイングを作ろうとすればするほど、

身体の動きは小さくなり、

再現性も低下します。

一方で、

身体の中心から動き始めることができれば、

その動きは自然に腕やバットへ伝わり、

無理のないスイングにつながります。

次回は、「割れ」とは何かについて解説します。