身体のねじれは「回ること」ではなく「逆方向の力」で作られる

投球動作では「身体をねじる」という表現がよく使われます。

しかし、実際には身体を大きくひねることが重要なのではありません。

重要なのは、

骨盤と胸郭がそれぞれ異なる方向へ力を発揮することです。


身体は一つの塊ではない

骨盤と胸郭は背骨によってつながっています。

そのため、どちらか一方だけが回転しようとしても、もう一方も一緒に動いてしまいます。

その結果、

身体全体が同じ方向へ回転し、

十分なねじれは生まれません。

つまり、

「骨盤を先に回す」

という意識だけでは、

身体のねじれは作りにくくなります。


ねじれを生むのは反対方向への力

身体のねじれは、

骨盤が左へ回転しようとする力と、

胸郭が右方向へ保とうとする力が同時に存在することで生まれます。

胸郭にも回転しようとする動きはあり、

骨盤とは逆方向へ引き合うような力を保っているため、

体幹内部にねじれが発生します。

つまり、

身体をねじるとは、

「止めること」ではなく、

互いに反対方向へ力を発揮することなのです。


外へ逃げる回転ではなく、中心へ集まる回転

もう一つ重要なのが、

回転しながら身体が外へ膨らまないことです。

腕だけを大きく振ったり、

骨盤だけを回したりすると、

身体は外側へ広がるような回転になりやすくなります。

一方で、

体幹には中心方向へ集まる力(求心性)を保ちながら回転すると、

骨盤と胸郭の距離が保たれ、

身体のねじれを維持したまま回転できます。

回転と同時に身体を中心へまとめ続けることが、

効率よく力を伝えるためには重要になります。


投球動作では順番も重要

実際の投球では、

骨盤と胸郭が完全に止まった状態で動くことはありません。

両者とも連続して動いています。

しかし、

身体の中では

  • 胸郭に反対方向への張力を残しながら
  • 骨盤が回転を始め
  • その後に胸郭が加速する

という時間差が生まれています。

この時間差によって体幹にねじれが蓄えられ、

そのエネルギーがボールへ伝達されます。


身体のねじれとは何か

身体のねじれとは、

大きく身体をひねることではありません。

骨盤と胸郭が互いに反対方向への力を発揮し、

さらに身体の中心へ集まる力を維持することで、

体幹内部に張力を生み出す現象です。

この張力を適切なタイミングで解放することが、

効率の良い投球動作につながります。